Ubisoft、ゲームソフトパッケージのエコ化を発表 -ゲームから取説が消える日-

フランス・Ubisoft社は19日、同社から発売を予定しているスポーツゲームShaun White Skateboarding」より、ゲームソフトパッケージのエコ化の一環としてゲームマニュアル(取扱説明書)を完全デジタル化することを発表した。

同社ではこれにより、今年度中に600万冊分のマニュアルの作成に必要な資源(180トンの紙、360トンの木材、2,300エーカーの森林に相当)を節約できるとしている。また、これ以降の同社ゲーム製品のマニュアルも全てデジタル化され、プレイヤーはゲーム内のメニューからマニュアルを閲覧できるようになる。

同社は今回のプランを単なるコスト削減の機会としてだけではなく、プレイヤーにとってより利便性の高いゲームマニュアルを提供できる機会として、デジタル・マニュアル自体の品質向上にも力を入れていくとのこと。

同時にPCゲームのケースについても、業界としては初となる100%再生のポリプロピレン素材を使用して製造することを発表した。今月27日からの出荷が予定されている「Splinter Cell Conviction」を皮切りに、今後の新製品および過去タイトルの増産分も全て新ケースに切り替わる予定だ。

ただし、この新ケースは当面のところPCゲームにのみ採用されるとのこと。この理由として同社では、現在100%再生のポリプロピレンは黒またはグレーの色になってしまうため、Wii が採用しているホワイトや、XBox のグリーンに着色するのが技術的にもコスト的にも難しいためとしている。

これを受けマイクロソフトソニーなどのゲームコンソール機メーカーも、このUbisoftのエコ化の取り組みに対し歓迎する意向を示し、広報を通じて全面的に協力するコメントを発表した。また、任天堂などは既に同社の Wii タイトルに独自のエコ・ケースを採用するなどエコ化への動きを見せ始めている。

Ubisoft は昨年より、自社製品の「Left 4 Dead」や「Assassin's Creed 2」などで、プラスチック使用量を従来比30%抑えたエコ・ケース(EnviroShell)を採用しており、今回の取り組みをきっかけに業界全体のエコ化をリードしていきたいとのこと。また同社は、現在バイオテクノロジーの分野で研究が進められている「じゃがいも」や「トウモロコシ」を原料としたバイオ素材のケースにも注目している。

究極のエコ化を進めた結果、ゲームコンソール機自体が無くなり、全てのゲームをクラウドコンピューティングで遊ぶようになる日がやってくるのかもしれない。

記事原文はこちら:
Ubisoft Pushing for Games to Go Green