あるゲームショップで働く従業員の暴露話

ゲーム好きなら誰もが若い頃夢見たことがあるであろう仕事、ゲームショップの店員。大好きなゲームに囲まれゲーム好きなお客さんと一日中ゲームについて語り合える。
そんな風に考えていた時期が俺にもありました・・・

ところが現実は180度違ったようで、アメリカ全土で6,200店舗を展開する巨大ゲームショップチェーン GameStopグループの元従業員がゲームショップで働くことの難しさ(というよりか GameStopの糞ぶり)を告発レポートしています。

毎日のシフトの終わりには死を持ってこの苦行から開放されたいとまで願うようになったこの元従業員の身にいったい何があったのでしょうか?

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Koku Gamer

◆GameStop は押し売りセールスマンの集まり

従業員は日計ベースで各ゲームカテゴリの営業成績や勤務時間を事細かに管理されることになり、成績によっては解雇もあり得ることが労働契約に明記されている。

GameStop にとってのゲーム(ソフト)とは、映画館における映画のような存在であり、結局会社としてのGameStopブランドが優先されることになる。そして、ゲームには目をくれず会社のブランド向上だけを考える社員が大切にされる。

この社風を変えようとする者もいるが、会社の大半を販売強化商品を血眼になって売ろうとするラリッてる社員で占められており既に手遅れ感が漂う。そしてそういった社員、ゲーム好きにとって居心地の悪い空間を作り出す人間が最も評価されることになる。

客がゲームを手にレジに向かう。支払いの前のお決まりの儀式がある。ゲームコピーの違法性についての店員による大演説だ。客はこの演説をさえぎることもできずただ黙ってこの終わりの見えないスピーチを聞いている。いったい誰が好き好んでわざわざゲームを買うだけのために苦痛の5分間を過ごしてくれるというのか?

◆従業員を何でも屋にしたがる GameStop

GameStopは従業員を会社にとって便利なマルチ人間にするべく様々な教育を行う。ゲーム価格決定、下取り査定、発売日の把握、などなど・・・
ゲームへの興味は二の次で、まずこういった経営効率化のためのテクニックが最優先で叩き込まれることになる。
これにより、従業員の半分はゲームなんかどうでもいいといった感じになる。仕事のスピード感が何よりもまず大切で、正確性についてはそれが売り上げに関係する場合にのみ重要となる。

一方で実際にはゲームショップ店舗で働くほとんどの店員は元々ゲーマーでありゲーム関連のシステムにも働く前から精通している人が多い。
彼らにとってはゲームの売り上げよりもゲームそのものに興味があるわけでこれがまた危険な状況を生み出すことになる。
つまりお客さんの間にゲームショップの店員は丸一日中ゲームに触れているのだから、ゲームに関してなんでも相談していいんだという勝手な思い込みが一人走りしてしまうことだ。

これによって、「PS3が動かないんだけど」とか、「どのゲームをやってもXBoxがフリーズんだけど」とか、メーカーに問い合わせろよと言いたくなるような質問が毎日殺到することになる。
さらに酷くなると、GameStopの従業員はゲームの動作に関する高度な技術教育を受けているとか、ゲームディスクについての知識が豊富であるとかいった勘違いに発展し、実際自分もDavid Lynch監督の映画作品や誰かが買ったテレビの設定といったわけのわからない質問をされ、お客さんに満足のいく情報を提供できずに怒鳴られたことが何度もある。

◆GameStop の不公平な返品・交換規約

GameStopの返品・交換規約はどう考えてもおかしい点が2つある。

まず一つ、お客さんはゲームをするためにはゲームを開封しなければならない。ごくあたりまえのことだ。
だから、開封後の商品は一切の返品を受け付けないという規約はアホらしすぎて話しにならない。

二つめに、本来ならこんな大切な情報はお客さんに確実に伝えるべきなのに、かすかに視認できるような文字サイズで書かれた規約カードをレシートにさっと包むようにして渡すだけで規約に同意したことにさせている。
だから店舗ごとにこの規約の解釈がバラバラになっており、お客さんにも十分認知されていないといった事態になる。

まあ開封済みの商品の返品は規約で受け付けないんだから、強クレームを付けてくる客もそんなにいないんだろうと思ったらところがどっこい。自分のシフトでは毎日のように「糞ボケ死ね」級のクレームが寄せられるのが常であった。

良くあるパターンとしてはお客さんが開封済みのゲームを持ってきて、期待どうりのゲームではなかった、糞ゲーだったという理由で返金を要求してくることが何度もあった。
で、われわれが客に開封済みのゲームは返金対象とならないことを伝えるわけ。俺たちはゲームレンタル屋じゃないんだと。
でもお客さんは「最初から開封されていた」と主張する。こうなったらもう最後、お客さんの話をゆっくり聞きながら矛盾点を指摘し、長々と苦痛の時間をすごさなければならない。

もう一つ別のパターン。GameStop が普段使っているのとは別のかたちでパッキング(梱包)された未開封商品を持ってきた場合。お客さんは店員がこの状態で売ったと主張する。そして、最終的には例えディスクが真っ二つに割れていたとしても、GameStop のものとは違う梱包状態の商品の返品は受け付けないという事実を伝えお客さんが大激怒するパターン。

というわけでこの糞規約のおかげで私は勤務時間の多くを客を説得するために費やしているのである。

ここでご理解いただきたいのがこのレポートでもって私は無茶なクレームを付けるお客さんに困っている GameStop みたいな事情を説明しようとしているのではない。

むしろ(詳しくは書けないが賢明な読者はお気づきであろう)お客さん側がまったく悪くない、要するにこちら側での新品のパッキングの不手際や、中古品の取り扱いの不始末が原因となるケースがいくつもあるということなのだ。

ゲーム好きにとっての理想のゲームショップとはいったいどのようなものなのだろうか。