iPadを購入する前に確認したい12の疑問 -iPadは果たして「買い」なのか?-

先週の4月3日にいよいよ米国で発売されたアップルの新型タブレットバイス iPadアメリカの一部店頭では徹夜の行列が出来、日本からも熱狂的なファンがわざわざ現地に飛んで発売日に入手するなど異様な盛り上がりを見せておりますが、チョット興味があるけれど本当に「買い!」なのか?という人のために、北米メディアのCNNのサイトで掲載されている「iPadを購入する前に確認したい12の疑問」という記事をご紹介します。

※一部アメリカ市場向けの内容がありましたので日本向けに情報の追加を行っております。

記事原文はこちら:Before you buy: 12 things to know about the iPad - CNN.com

1.ノートパソコンとの違いは?

Laptop(欧米でのノートパソコンの呼称。膝の上にのるほど軽いパソコンの意)という意味では、iPad もノートパソコンの一種と言えるかもしれませんが、形状的な分類からはタブレットタイプ(欧米ではslate device(石版デバイス)と呼ばれる)に属することとなります。

ノートパソコンとの最も大きな違いとしては、キーボード・マウスが無いということ。ファイルや写真を操作する場合は iPhoneiPod Touch と同様にタッチスクリーンで行うことになります。


2.アマゾンのキンドル(電子ブックリーダー)との違いは?

アメリカではキンドル(Kindle)などのタブレットバイスで本を読むことが一般化してきていますが、iPad も同様に電子ブックリーダーとして使うことができます。

現在のところモノクロ表示のグレースケール段階調整にしか対応していないキンドルに比べて、iPad はカラー表示ができますので、例えばグラフや重要な文章のハイライト表示など、カラー表示による読みやすさの点では iPad のほうが優れていると言えそうです。

一方ではキンドルのようなバックライトの無いデバイスのほうが長い文章を読むときに疲れないという人もいます。


※アマゾンの電子書籍リーダー、キンドル

また iPad は縦横自在で、本体を横にして本を開いているように左右に1ページずつ表示したり、縦にして1ページを拡大して表示させたりすることができます。キンドルは縦1ページ表示のみの対応です。

さらに重要なポイントとしては、iPad では広く一般に採用されている電子ブックフォーマット ePub が採用されており、アップルの公式電子ブック販売サイトである iBookstore から様々なジャンルの書籍を購入することができます。これは電子ブックコンテンツの提供側にとっても利点と言えるでしょう。キンドルの場合は電子ブックの購入先が Amazon.com のみに限られてしまいます。


3.iPadの価格は?

価格帯は$499から$829までストレージ(記憶領域)容量と、標準のWi-Fi(無線LAN)に加え3G通信に対応しているかどうかによってラインアップされています。

16GB / Wi-Fi モデル : 499ドル
32GB / Wi-Fi モデル : 599ドル
64GB / Wi-Fi モデル : 699ドル

16GB / Wi-Fi+3G モデル : 629ドル
32GB / Wi-Fi+3G モデル : 729ドル
64GB / Wi-Fi+3G モデル : 829ドル

Wi-Fi+3G モデルはアメリカで4月下旬発売予定。


4.iPhoneのように購入時に必ず3G通信キャリアと契約しなければなりませんか?

Wi-Fi無線LAN)専用モデルはその必要はありません。自宅やオフィス、また街中のフリースポットでの使用がメインの場合や、iPhone を既に使っているユーザーはこちらを選択するといいでしょう。

また3G通信対応モデルであっても、今回は通信キャリアに月々の利用料を支払う必要はなさそうです。アップルのiPadプレスカンファレンスでのスティーブ・ジョブズ氏の発表によると、AT&Tアメリカの3G通信キャリア)の月額契約付きのiPadを購入した場合でも違約金無しで契約を解除できるようにするとのことです。ちなみにAT&Tでは月額29.99ドルでiPadの3Gつなぎ放題プランを提供する予定です。


5.キーボード無しでどのように文字を入力しますか?

iPhoneと同様に必要な場面でタッチスクリーン上にキーボードが表示される仕組みになっています。iPad のソフトウェアキーボードは賛否両論ありますが、実際のキーボードと丁度同じくらいのサイズになっているのでiPhoneに比べて打ちやすくなっているという声が多いようです。


6.iPadが最も得意とするコンテンツは?

iPad は様々なデジタルコンテンツを楽しむために考え出されたデバイスです。特に、電子ブックを読んだり、ウェブサイトを閲覧したり、動画を楽しんだりすることに特化しています。

携帯ゲーム機としても優れており、App Store では数万種類ものiPhone/iPad 対応ゲームアプリが登録されています。DVD再生機能はありませんが、App Store からビデオをダウンロードしたり、ウェブサイトからストリーミング再生して楽しむことができます。

また、日常の友達と交わすようなちょっとしたメールをやりとりするのにも適しています。どちらかというとブログライターよりはブログリーダー向けの機能が充実したデバイスと言えるでしょう。


タイトーiPad対応アプリ「森田将棋 HD」


7.iPad でドキュメントやプレゼン資料を作成することはできる?

アップルは公式にiPad専用のドキュメント編集アプリケーション Pages を$9.99で提供しています。これによって、表計算、ドキュメント、プレゼン資料などをiPad上で作成し編集することができます。

また、Wi-Fiに対応していますので、Wi-Fi対応プリンターなどでドキュメントをプリントアウトするのにも便利なデバイスと言えるでしょう。


Wi-Fi(無線LAN)機能を標準装備しているので、Eye-Fi 対応デバイスとの相性もよさそうだ。


8.iPad で全てのウェブサイトにアクセスできる?

Youtube など現在多くのビデオストリーミングサイトで採用されているビデオフォーマットである Flash(フラッシュ) はiPadではサポートされていません。

ただインターネット上では既にこの問題を回避する方法が発見されており、多くのウェブサイトでは現在iPadに対応させるべく HTML5 へのコード切り替え作業が行われています。これにより多くのビデオストリーミングサイトがiPadに対応することが予想されますが公式にFlashに対応していない以上なんらかの問題が発生する可能性もあります。


iPhone/iPad上でFlashコンテンツを再生させる方法。元々はFlashの広告をiPhone上で再生させるために考案されたという。


9.iPad は既存のパソコンに取って代わる存在に成り得るか?あるいはこれからも共存が必要か?

何人かの技術系ライターや評論家は iPad はオールインワンタイプのデバイスであると評価していますが、一方ではiPadは既存のパーソナルコンピュータに取って代わる存在と呼ぶには程遠いという声もあります。

これは普段どのような用途でパソコンを使っているかによっても意見が分かれるところだと思います。もし動画や音楽を編集したり、グラフィックアートを描いたりといった創造的な作業を行っている場合は、従来のノート・デスクトップパソコンのほうが使いやすいでしょう。

一方、ウェブサーフィン、電子ブック、ゲーム、動画、ショートメールなどの用途であれば、iPodは最適なデバイスと言えるでしょう。

また、文字の入力に関してはアップルおよびいくつかのメーカーからiPad対応の専用キーボードが発売されていますのでこれらを利用するという方法もあります。


10.他のデバイスと比べて軽さ大きさはどうですか?

iPadの厚みは13.4mm、重量はWi-Fiモデルが680g、Wi-Fi+3Gモデルが730gとなっています。
画面は1024×768対応の9.7型液晶となっており、同型のノートパソコンよりも軽量です。
アマゾンのキンドルDXは、厚み9.7mm、重量は約536g、824×1200対応の9.7型液晶、内蔵メモリは4GB(約3500冊)というスペックになっています。(Wikipediaより)


11.新聞や雑誌をiPadで読むのに購読料を支払う必要はありますか?

新聞や雑誌業界はiPadを新たな需要を掘り起こしてくれる業界の救世主として期待しており、既に数社がiPadに対応する購読サービスの準備を進めています。例えば、ウォールストリートジャーナルは、月額17.99ドルでiPadで新聞が読めるサービスを提供しています。


12.iPadの類似製品は出ますか?

HP、デル、Viliv や Asus など多くのコンピューターメーカーがタブレットバイス市場への参入を表明しています。


東芝がヨーロッパ市場向けに展開しているタブレットバイス「JournE touch」