いつでも変わらない面白さを目指して - ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー 開発者インタビュー -

全世界で派生シリーズも含め累計1億9000万本も売れている「ポケットモンスター」シリーズ。
そのポケモンの最新作が、ポケモン ハートゴールドソウルシルバーだ。

本作品は、1999年11月に発売された ポケモン 金・銀 のリメイクバージョンとなっているが、NintendoDS の通信機能やタッチスクリーン機能などをサポートする様々な新要素が追加され、初週2日間で約140万本の売り上げを記録するなど大ヒット作品となった。

ポケモン ハートゴールドソウルシルバーは日本では2009年9月に発売されたが、北米・オーストラリア・ヨーロッパ地域では2010年3月に英語版が発売されたこともあり、海外ゲームメディアでの注目度があがっている。

イギリスのゲームメディア「The official NINTENDO magazine」にて、ポケモンの開発元であるゲームフリークの森本 茂樹氏、増田 順一氏、おおもり しげる氏へのインタビューが掲載されているので紹介しよう。

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The official NINTENDO magazine (以下:任):なぜ今回、このタイミングでポケモン金・銀をリメイクすることになったのでしょうか?

森本 茂樹 氏(以下:森):
今年はポケモン金・銀が発売されてちょうど10年目になります。当時はゲームボーイを持っておらず金・銀を知らない人もだいぶ増えてきたこともあり、このタイミングでのリメイクがベストであると判断しました。特に金・銀は、初代の赤・緑をリリースしたときに盛り込めなかった面白い要素をたくさん実装しており多くのゲームファンに受け入れられてきたゲームでもあります。

増田 順一氏(以下:増):
金・銀は、ポケモンにとって2番目のメジャーリリースであり、そこで実装された様々な新しい機能はプレイヤーの期待以上のものであったとの評価を得ています。また金・銀で実装したカントウ地方も、この評価の大きな要素であったと考えています。


任:携帯デバイスであるポケウォーカーを同梱した狙いはどこにあったのでしょうか?

おおもり しげる氏(以下:お):
携帯デバイスは、金・銀の発売時にも「ポケットピカチュウ」として同梱しましたので、ポケモンファンにとっては思い入れのあるアイテムと考えています。そこで今回も同様の携帯デバイスを同梱することになりました。

ポケウォーカーはポケットピカチューと違い、自分の好きなポケモンを入れて一緒に外出することができます。プレイヤーたちがそれぞれのお気に入りのポケモンと一緒に外出できるということはそれだけでもとても面白いことだと思います。

森:
このデバイスによって、ポケモンファンはより活動的になると思います。私の友達も外に出るときはいつもポケウォーカーにお気に入りのポケモンを入れていくそうです。


任:ポケモンシリーズは、ポケモンピカチュウ以降のバージョンからは特定のポケモンにスポットライトがあたるようなストーリーは採用してきませんでした。今回も同じようなかたちを採用した理由は?

森:
ポケモン世界をもっとバラエティに富んだ世界、つまり、自由に旅をともにする仲間を選べるような世界にしたいと思っているからです。


任:ポケモンは初代が発売されてから今年で15年目を迎えます。これまでの期間、今までとは違う全く新しいポケモンを作ろうと思ったことはありますか?

増:
私は、それが最善の方法であるとは考えていません。少しずつ新しい要素を次のバージョンに導入していくことで、今までポケモンをプレイしたことのない人も含め、全ての人に楽しんでもらえるようなゲームにしたいと考えているからです。

森:
常にその可能性については考えています。またゲームデザイン的に、常に新しい要素を組み入れやすいものにすべきであると考えています。


任:過去に金・銀やプラチナで遊んだ人にとって、今回のポケモンは買いですか?

増:
そういった人にも是非NintendoDSという新しい環境でゲームを体験してほしいですね。金・銀をプレイした昔を思い出しながら遊ぶのも面白いと思います。
子供の頃好きだった食べ物を大人になって食べてみたら、また新しい別の味わいを感じることができたみたいな。

森:
今回はリメイクバージョンとはいえ、非常に多くのコンテンツを盛り込んだ良い作品と考えています。ストーリーも様々な工夫を施しており、たくさんのイベントが冒険中に起こるようになっています。

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