日本・中国で漢字の書き順を忘れる人が急増中 -漢字は将来無くなってしまうのか?-

 パソコンや携帯電話の登場によって日常生活で文字を「書く」機会が少なくなり、これが原因で漢字の書き順や文字の形状を忘れて字がかけなくなる「漢字忘れ」。お隣の中国でも事情は同じようで最近若者を中心に漢字が書けなくなる人が急増しているそうです。

 中国ではこのような現象を「提筆忘字(筆を持つが字が思い出せない)」と呼んでおり、あるアンケートではコンピューターを使う人のうち80%がいくつかの常用漢字の書き順を忘れてしまっており、43%が署名や申請書を書く時くらいしか字を書く機会がないと答えたそうです。中国の携帯電話利用者数は現在8億人以上と言われており、携帯電話の文字入力にはピンインと呼ばれるアルファベットで発音を入力して漢字候補を表示して選択するという方法で行われています。2008年にはこのピンインで入力した文字メッセージが国内で1750億通もやりとりされたそうで、今後ますます提筆忘字が進むのではないかと心配されています。

 言語学者の中からはこのまま提筆忘字が進めば中国や日本の言語文化が失われてしまうのではないかという声や、人類がコンピューターという次世代の文字入力方法を発明したことで漢字のような複雑な言語が失われていくのは人類の長い歴史の中で必然的な流れだとする説も唱えられていますが、一方では、わたしたちが日常生活で漢字を使い続ける限りはそれを文字と認識して意味を理解するという行為は続くわけで、漢字文化が失われることは無く書き順を忘れること自体は心配しなくてもいいという声もあがっており、世界で最も多くの種類の文字を使いこなす中国と日本の漢字文化に世界から注目が集まっています。

情報ソース:Breitbart News Network