世界のネットワークを即時停止できる権限 -世界最強の兵器となるか-

 アメリカ合衆国で、大規模な国際テロや地球規模の自然災害発生時など国家の非常事態に大統領が行使できる国家緊急権について、インターネットの即時遮断の権限の追加が検討されていることがわかり、ヨーロッパ諸国を中心に懸念が広がっている。

 これは、「Protecting Cyberspace as a National Asset Act」(国家所有財産としてのサイバースペース防衛戦略)と題された新法案成立に向けた有識者会議の中で明らかになったもので、この法案が成立すれば、アメリカの大統領は国家の非常時に国内の全てのネットワークを即時に遮断することができるようになる。

↓世界中に張り巡らされた巨大ネットワークがオバマ大統領の手中に!?

 もちろんこの権限はアメリカ国内のみで有効であり、諸外国のネットワークには影響を及ぼすことは無いが、現在アメリカ国内には、世界中のサーバーの住所録の役割を担うDNSルートサーバーをはじめ、GoogleTwitterYouTubeFacebook2ちゃんねるなど、多くの人気サービスのサーバーが存在しており、またアメリカのサーバーと通信している諸外国の金融、セキュリティシステムなども影響を受けることは確実で、実質的に世界のインターネットを遮断する権利といっても差し支えないレベルと言える。

↓この権限が発動されれば地球規模で金融やセキュリティの混乱が起こることは避けられない。ある意味核ミサイルより強力な武器になるのではないだろうか。

 地球規模でIT化が進み、世界各国の行政や金融、安全保障システムがインターネットに大きく依存するようになった現在、国際的なテロ組織や敵対国家がアメリカのインターネットを狙って「サイバー9/11」を画策しているとされており、アメリカ側もサイバーテロ対策のための新法案や組織の創出を急いでいる。

 地球規模でのサイバースペースを巡る国家安全保障戦略に、日本がどのように関わっていくのかにも注目が集まっている。

情報ソース:Obama internet 'kill switch' proposed

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