Yahoo! JAPANと淘宝の提携サービス開始 -日本はついにパンドラの箱を開けてしまったのか?-

 インターネット検索大手のYahoo! JAPANと、中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」が提携し、6月1日から両方のサイト上で特設ページが設置されサービスが始まっている。日本側はYahoo! JAPAN内の「Yahoo! チャイナモール」、中国側は特設サイトの「淘日本」からそれぞれアクセスして商品を検索、購入できるようになっている。

 ただ、現在のところYahoo! チャイナモールでは、中国の淘宝に掲載されている中国語の商品説明をそのまま機械翻訳したものが並べられているだけの状態になっており、人気ゲームのコピー品詰め合わせなど違法性の高い商品が購入できてしまったり、淘宝で6元(100円ほど)で売られているものがなぜか日本側で700円と表示されるなど価格が不透明な商品も多いようだ。

↓違法商品もそのまま掲載されている。


 現在中国で1億5000万人以上が利用しているといわれている淘宝では、本物に混じって偽物や壊れた物を販売する業者も多く、商品の取引の際には、淘宝側がユーザーからの支払いを預かり、届いた商品をその場で開封して確認(電子機器などの場合は開封して電源を入れる)、ユーザーがWeb上で商品受け取りのサインを行い、その上で淘宝が業者に代金を支払うという「支付宝」という決済方法で行われるのが一般的だ。

 一方Yahoo! チャイナモール側の説明によると、モールの取引は中国上海にある貿易会社が中国で商品購入を代行し、日本の各ユーザーが自己責任において貿易会社と「個人輸入」契約を結ぶという形になるそうで、国際送料や日本国内の消費税、関税などは全てユーザー負担になる点に注意したい。
 さらに注意したいのが「注文確定後のお客様都合による「キャンセル」「返品、交換」不可」という点で、違法な商品や輸入禁止商品などは税関で止められて注文がキャンセルとなるものの、仮にブランドバッグなどの精巧なコピー品が税関を通過してしまった場合には、規約上ユーザーは必ずそれを買い取らなければならないことになってしまう。

 現在Yahoo! チャイナモールでは、一回の購入で合計一万円以上の注文を対象に国際送料および関税と消費税が無料になるキャンペーンを行っているが、利用の際には上記のリスクも勘案して自己責任でショッピングを楽しむようにしたい。もっとも、中国でどんな商品が売られているのかをチャイナモールで眺めるだけでも十分楽しめるので、まずはゆっくりお気に入りの商品を探しつつ、当分の間は様子を見るのも賢い選択といえよう。

↓淘日本。化粧品や高級カメラなどの日本製の人気商品が並ぶ。べらぼうに高い増値税の扱いはどうなっているのだろうか・・・

 果物屋でスイカを買ったらその場で半分に切らせて中身を確認するのが「当たり前」の中国と、産地や消費期限の偽装を簡単に信じてしまう人が多い日本、考え方も文化も商習慣もまったく異なる2つの国の最大級の電子商取引サイトが、今、インターネットという太いパイプで繋がった。

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Yahoo! チャイナモール : http://chinamall.yahoo.co.jp/
淘日本 : http://www.taojapan.com/