北朝鮮製のモバイルゲームをアメリカ企業が運営

 アメリカの人気コメディ映画「ビッグ・リボウスキ」 (1998年 原題: The Big Lebowski)、および「メン・イン・ブラック」 (1997年 原題: Men in Black)を題材にした携帯電話向けのモバイルゲームが、北朝鮮科学技術局(General Federation of Science and Technology)のプログラマーによって開発中であることが明らかになった。

 ビッグ・リボウスキを題材にしたものがボウリングゲームになること以外の詳細は明らかになっていないが、ゲームの供給先がタイムズ・20世紀フォックスFOXテレビジョンなどを傘下におさめる巨大メディア企業のニューズ・コーポレーション(News Corporation Ltd.)であることがわかり物議を醸している。

 今回開発を行うのは前回のエントリーでもご紹介したヨーロッパ資本の北朝鮮ソフト開発会社「Nosotek」。国連協定上は特に北朝鮮の企業と国連加盟国の企業が取引を行ってはならないという規則は無いが、近年相次ぐ北朝鮮からアメリカの企業サーバーへのサイバーアタックや、韓国の哨戒艦沈没事件を受けて先月30日にオバマ大統領によって宣言された北朝鮮制裁の強化など両国間の関係が険悪になりつつある中で行われた取引だけに、有識者の間からは独裁政権維持のための新たな資金源になるのではないかという懸念や、アメリカを代表する企業としての倫理観を問う声もあがっているという。

 北朝鮮のソフト開発企業は、高い技術と低賃金を兼ね備えた世界有数のコストパフォーマンスに優れた外注先としてヨーロッパ系企業を中心に注目を集めており、政治的関係とは裏腹に今後益々先進国企業との結びつきが強まることが予想される。

情報ソース:Bloomberg - Are you a robot?
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